住宅ローン用語集
頭金
頭金とは
頭金とは、住宅価格からローン借り入れ分を差し引いた部分のことです。頭金を支払った分だけ、住宅ローンの借入額は少なくなります。例えば、4,000万円の住宅に対して、頭金として500万円を支払うと、残りの3,500万円を住宅ローンで支払うことになります。
預貯金や親族からの贈与を頭金にするケースが一般的です。
また、住宅購入には物件価格以外に、不動産登記費用や住宅ローン手数料といった、「諸費用」が必要になります。これらの諸費用は、一般的に頭金には含めません。
つまり、「住宅購入費用=頭金+住宅ローン借入額+諸費用」と表すことができます。
頭金の支払いタイミングは、申し込み→売買契約の締結→物件の引き渡し(融資実行)という流れの中で、売買契約から引き渡しまでの間に支払います。
頭金の目安
頭金は、必ず用意しなければならないものではなく、金額に決まりはありません。一般的に、 住宅の価格に対して10~20%程度が頭金の目安と言われていますが、頭金をどの程度用意するかは、自身の生活や将来設計を見据えて検討する必要があります。
以下は、住宅金融支援機構が行った「2019年度フラット35利用者調査」による頭金(手持金)と融資額の割合(全国平均)です。
単位:万円(カッコ内単位:%)
手持金 | その他の資金 | 融資額 | |
---|---|---|---|
注文住宅 | 621.9 (18.0) |
89.3 (2.6) |
2,743.2 (79.4) |
土地付 注文住宅 |
443.2 (10.4) |
192.5 (4.5) |
3,621.2 (85.1) |
建売住宅 | 282.4 (8.1) |
206.9 (5.9) |
3,005.0 (86.0) |
マンション | 736.2 (16.3) |
183.2 (4.1) |
3,601.7 (79.7) |
中古戸建住宅 | 209.0 (8.1) |
144.5 (5.6) |
2,220.4 (86.3) |
中古マンション | 352.1 (11.3) |
151.1 (4.9) |
2,606.4 (83.8) |
- ( )内は建設費と土地取得費の合計した資金に対する構成割合
(構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはならない)
事例
頭金の有無で、毎月の返済額や総返済額にどのような違いがでるかを見てみましょう。
頭金を2割とした【フラット35】9割以下と頭金なしの【フラット35】9割超で比較をしてみました。
住宅ローン条件
- 物件価格:3,000万円
- 借入期間:35年
- 金利タイプ:全期間固定金利
- 団体信用生命保険:加入
- ボーナス返済:なし
- 繰上返済:なし
- 諸経費:別途
【フラット35】 9割以下 |
【フラット35】 9割超 |
|
---|---|---|
頭金 | 6,000,000円 | 0円 |
借入金額 | 24,000,000円 | 30,000,000円 |
実行金利 | 1.310% | 1.570% |
毎月の返済額 | 71,271円 | 92,887円 |
住宅ローンの 総返済額 |
29,933,608円 | 39,012,527円 |
総支払額 (頭金+住宅ローンの総返済額) |
35,933,608円 | 39,012,527円 |
シミュレーション結果から、頭金があることで頭金なしに比べて月々の返済額が減り、総返済額も少なくなることがわかります。
見落としがちな頭金を貯めている期間の支出
頭金を貯めている期間の支出は見落としがちです。
例えば、賃貸に住みながら、頭金を貯める場合、その間は家賃の支払いが生じます。
先のシミュレーションでは、頭金2割を利用した方が頭金なしに比べて総支払額は、約300万円少なくなっています。しかし頭金を貯める期間の家賃総額が300万円を超えるようであれば、頭金を準備せずに頭金なしで住宅ローンを組む方がお得になるという考え方もできます。
頭金を多くすることでローン返済額が減り、家計の負担減にはなりますが、多くしすぎることで手元にある現金は減ってしまいます。自己資金から、多くの金額を頭金として使ってしまうと、もしもの時や今後の暮らしに必要な資金が用意できなくなってしまう場合があります。病気やケガ、収入減などの不測の事態や、教育費、出産費など将来のライフプランに備えるための費用も考慮して頭金の金額を検討しましょう。
- この「用語集」は、あくまで一般的な説明をしているもので、当社の商品の説明や広告をするものではありません。
- 記事中に用いているシミュレーションの金利は試算例であり、実際とは異なります。